なでしこリーグのジェフユナイテッド千葉レディースは12日、千葉県内で会見を行い、上村崇士総監督(40)を選手に対する重大なセクハラ行為で解任することを公表した。

 調査した弁護士によると、セクハラは今年に入ってから複数回行われていた。酔った状態で「指導のため」と選手を呼び出して、2人きりの状況で腰に手を回したり、選手を不快にさせる発言をするなどした。

 8月12日に、被害を受けた選手から女性コーチに申し出があった。コーチは本人の意向を尊重して周囲には伏せていたが、事態の深刻さから選手の了承を得てチームに報告した。先月29日から調査して、今月11日にセクハラがあったと認定。今回の契約解除に至った。

 上村氏は08年から昨年まで同チームの監督を務め、今年からは新たな監督育成のため総監督に就任していた。また05年からの2年間も監督を務めた。1度は退いたが、クラブ関係者によると選手から「上村監督のもとでやりたい」と復帰を希望する声が上がり、08年に監督復帰した。現在、上村氏本人からのコメントは出ていない。

 会見に出席した島田社長は「選手からの信頼を失う行為で、怒りを禁じ得ない。今後再発がないよう環境整備を徹底したい」と話し謝罪。自身の月額報酬の20%を3カ月カットする。

 同クラブは日本女子サッカーリーグとJリーグに報告し、現在、他にセクハラ行為がなかったか、選手にアンケートを取るなど調査中。なお、セクハラを受けた選手は現在も練習に参加しており、被害届の提出については、今後本人が判断する。

 ◆上村崇士(うえむら・たかし)1973年(昭48)12月2日生まれ。大阪府出身。ポジションFW。92年に長崎・国見高を卒業後、横浜F(現横浜)に入団。神戸-鳥栖-川崎F-C大阪-市原と渡り歩き、02年に引退。J1通算21試合0得点、J2通算8試合2得点。指導者に転身し、08年に千葉レディース監督で、2部リーグだったチームを1部昇格に導いた。現役時代のサイズは191センチ、86キロ。

 ◆サッカー界の裁定

 日本協会は問題を起こした指導者、選手に対し、裁定委員会を開いて裁定の度合いを決める。指導者ライセンスの取り扱いについては、日本協会の技術委員会が判断。クラブへの裁定は、まず所属リーグ(今回は日本女子サッカーリーグ)が決める。