<高校サッカー:流通経大柏1(5PK3)1矢板中央>◇2回戦◇2日◇フクアリ

 優勝候補の流通経大柏(千葉)が公式戦初先発のGK瀬口隼季(としき、2年)の活躍で2試合連続でPK戦を制した。180センチの2年生GKはPK戦で、矢板中央(栃木)2人目のシュートに反応してセーブ。5-3の勝利を呼び込んだ。

 千葉県大会では出番がなく、大会前の茨城・波崎合宿で頭角を現した。初戦の作陽(岡山)戦で、膝の靱帯(じんたい)を断裂した正GK鳥井に代わって途中出場し、PK戦(8-7)での勝利に貢献した。本田監督は「PKはGKが1本止めれば勝つ。1回戦も今日も1本止めてくれた」と絶賛した。

 1-1で後半終了後、瀬口はスタッフからメモをもらった。PK戦で栃木県予選決勝を勝ち抜いた相手のデータが記されていた。だが、「あまり頭に入ってない(笑い)。先入観にとらわれちゃうんで紙(データ)だけに固執するのもよくない」と、自分の判断でプレーした。

 中学時代は湘南の下部組織に所属。ユースに昇格できず流通経大柏に進学した。寮生活では皿洗いや洗濯をこなし、精神的にも成長。「正直、Jの組織より厳しい。フィジカル的にも私生活の面でも」と胸を張る。苦しみながら3回戦に進み、本田監督も「瀬口にはこれからもしっかり守ってもらわなければならないですね」と期待大だ。【千葉修宏】