<J2:熊本1-0札幌>◇第11節◇8日◇熊本

 J2札幌は熊本に0-1で敗れ、昨年3月28日岡山戦以来406日ぶりの2連勝を逃した。前半41分にカウンターから失点。攻撃陣も守りを固める相手に、今季最少のシュート4本と攻めあぐね、無得点に終わった。敵地での熊本戦はこれで4試合未勝利無得点。前節草津戦で初勝利を挙げ勢いに乗りたかっただけに、痛い黒星となった。

 熊本の城壁が、またも札幌の前に立ちはだかった。敗戦の瞬間、肩を落とす札幌の選手に、サポーターからも容赦ないブーイングが飛んだ。「前に進むためのパスだろ!

 シュート打たなきゃ始まらないだろ!」。今季ワースト、シュート4本での無得点黒星では文句を言われても仕方がない。MF高木純平(28)は「遠くから見に来てくれた人に申し訳ない。ブーイングされて当然。むしろそういうことを言わせてしまった自分に腹が立つ」と言った。

 ミスからのカウンター1発で沈んだ。前半41分、MF古田のパスミスからボールを奪われ、あっさり先制点を献上した。「失点してからがっちり守る相手を崩し切れなかった」。石崎信弘監督(53)は後半12分、不調の古田に替えてベテラン砂川を投入した。その後も岡本、チアゴと攻撃の切り札を入れた。後半24分で交代3枠を使い切ったのは今季最速。積極采配もゴールにはつながらなかった。

 指揮官の不安が的中した。昨季の連勝はわずか1回。それだけに劇的な草津戦での初勝利後も「これが続けばいいんじゃが」と懸念していた。湘南、東京とJ1から降格したチームと互角に戦ってきた。内容も良く、結果も出始めた。チームの状態が右肩上がりだっただけに「僕も期待していたからね…」とショックは隠しきれなかった。“連勝できない症候群”は今季も改善されていなかった。

 熊本でのリーグ戦は、これで4戦未勝利無得点。札幌ドームでの昨季最終戦では4-0で大勝している相手だが、敵地に乗り込むとなぜか勝てない。DF岩沼は「後ろから見て点が入る感じがしなかった。少しのパスのずれやタイミングのずれがある。あと時間を使うところ、早く攻めるところのメリハリも必要」と課題を挙げた。引いて守る熊本のような典型的J2クラブを、どう攻略するか。この敗戦を次戦への糧にしていく。【永野高輔】