絶対的エースが自らの記録更新に挑む。磐田は3日、約1時間半の最終調整を行った。先発予定のFW前田遼一(30)は公式戦3戦連発中で、いずれも勝負を決める決勝点をマーク。他選手との連係は試合を重ねるたびに精度が上がっており、今季から採用した1トップの位置でも存在感を示している。この日も充実した表情で練習を切り上げると、プロ入り後初となる4試合連続ゴールに向けて「ぜひ決めたい」と真剣なまなざしで語った。

 はっきりとゴールを宣言できるのは好調を維持しているからだ。今季は森下仁志監督(39)の下、ハードなトレーニングを続けている。常にストイックな姿勢を続けるエースに対し、指揮官は「サッカーに取り組む姿勢がすごい。若い選手は見習うべきだ」。前田は昨季まで練習後にインターバル走を行うなど、その日の練習量に応じて自らに負荷をかけてきた。しかし、今季は普段から体のキレを維持できる練習量をこなしており「(好調の要因は)厳しい練習をしてきているからだと思う。個人的には好きだし、やりたい調整法だった」とうなずいた。

 浦和戦後には中2日で仙台との首位攻防戦が控えている。チームは開幕から公式戦5戦負けなし。リーグ戦とは大会が違うが、仙台との大一番に向けて勢いをつけるためにも負けられない一戦だ。「点を取って勝てれば最高」と前田。好調を維持したまま仙台に乗り込む青写真はできている。【神谷亮磨】