富山出身のストライカーが、地元に存在感をアピールする。J2山形は14日、山形・天童市内で紅白戦を行い、FW中島裕希(27)の富山戦(NDスタ=15日)への先発出場が濃厚。「富山からサポーターも少しは来るだろうし、見に来てくれる人にいいところを見せたい」と意欲満々だった。

 高岡市で育ち、サッカーの名門・富山一高でプレーを磨いた。今節は、高校時代の2歳後輩にあたるMF明堂との対戦も楽しみにしている。前節草津戦でプロ初得点を挙げた“弟分”に「(GKのミスが絡んだ)チョンボで点取ってましたね」と手厳しい評価を浴びせながらも「気持ちもフレッシュでモチベーションも上がってくる」と警戒。「高校時代は1年でもメンバーに入っていたし、とにかく速い」と抜け出すスピードを注意点として挙げた。

 先輩の動向も気にかけている。高校の7世代上の元日本代表FW柳沢とは鹿島、仙台で同僚だった。柳沢がオーバーエージ枠で今夏の「ロンドン五輪出場を狙っている」と発言したことに対し「冗談でしょ!

 冗談でそんなこと言うから~」とチクリ。しかし、その表情からは愛情がにじみ出ていた。富山を愛するゴールハンターが、3戦ぶりの得点で山形を、地元を盛り上げる。【湯浅知彦】