<J1:横浜3-1神戸>◇第8節◇28日◇日産ス

 不調続きの横浜が神戸を破り、開幕8戦目にして初勝利を挙げた。優位に試合を運びながら後半12分に先制された。主導権を握っても点が取れず、逆襲を許すいつもの負けパターンだったが、この日はMF谷口が途中から入り、流れが変わった。

 谷口は「サイドが機能していたので、タイミングよく中に入れば得点できると思った」。先制されると焦ってロングボールを放り込むいつもの単調な攻めではなく、サイドからじっくり攻め、同26分にFW小野がダイビングヘッドで同点ゴール。2分後には右からのクロスを谷口が頭で入れ、同32分にはMF中村俊輔(33)のFKをDF中沢が右足で押し込み、とどめを刺した。

 試合後、喜ぶイレブンと違って、中村主将はぎこちない笑みを浮かべるだけだった。「まだまだ。1勝しただけだから。まずはイーブンにしてから喜ぶよ」。1勝4分け3敗。あと2つ勝ち続けないと、主将として素直に喜べない。勝てない時期、若手に積極的に声を掛け、チームが直面している現状を伝えた。「攻めても勝てない。それは我々が弱いから。死ぬ気でやらないと、弱いチームは勝てないよ」。中村イズムが全員に浸透すれば、横浜も完全復活するはずだ。【盧載鎭】