勝つしかない!

 G大阪のMF遠藤保仁(32)が、がむしゃらに勝利だけを目指す。今日17日のアウェー清水戦に向け、16日は非公開調整後に敵地へ移動した。チームは残り3戦で、J2降格圏の16位。J1残留は他力のため、引き分けでも絶体絶命の危機に陥る。遠藤は「リスクを冒してでも点を取る」と宣言。日本代表の中東遠征から帰国したばかりの大黒柱が、疲れた体にムチを打って、残留へ全力を尽くす。

 遠藤の目尻にあったクマが、既に消えていた。日本代表として出場した14日オマーン戦に出場し、前日15日夕に帰国したばかり。大阪滞在18時間あまりで、敵地へ向かう移動用バスに乗り込んだ。疲労は言い訳にできない。それを知っているからこそ短時間で体力も、気力も、リセットした。

 「(前夜は)ゆっくり寝られたのでコンディションは問題ないです。今日の夜もしっかり、寝ることができれば完璧ですね。疲れているとか、言っていられる状況ではないですから」

 目指すは白星だけ-。リーグ戦は残り3戦。いまだにJ2降格圏16位から抜け出せず、残留圏の15位神戸とは勝ち点2差だ。現在は2戦連続ドローと足踏み状態。敗戦なら絶体絶命の危機に陥り、引き分けでも状況は厳しくなる。今後は、常に数字(勝ち点)を頭に入れながらの戦いになる。

 「引き分けることは考えていないです。リスクを冒さないと、点は取れない。攻めにいきます。点を取らないといけない状況ですから。優勝争いだろうが、残留争いだろうが、やるべきことは同じ。勝つだけ」

 J2降格なら、自身の去就問題にも発展しかねない。遠藤と同じく日本代表としてオマーン戦に出場したDF今野も遠征に同行。チームは2日連続で完全非公開で調整するなど、緊迫感も漂ってきた。ここまで、挙げた8勝の全ては3点以上を取って攻め抜いたもの。G大阪のスタイルを信じて勝つしかない!

 自分を信じるしかない!

 残留へ、やれることは全て出し尽くす。【益子浩一】