G大阪の来季監督の最有力候補に挙がっている長谷川健太氏(47)が、年内にも就任が正式決定する見通しであることが分かった。J2降格決定から一夜明けた2日、クラブ首脳が緊急会談。梶居勝志強化本部長が、長谷川氏が新監督候補であることを初めて認めた。既に招聘(しょうへい)に向け、コーチ陣や補強など来季編成に着手。交渉次第で年内に「長谷川ガンバ」が誕生する。

 J2降格が決まったG大阪が、来季に向け動きだした。最終節磐田戦から一夜明け、この日朝から金森社長ら首脳陣が緊急会談。減額が予想される人件費や、新監督についての話し合いが行われた。既に一昨年まで清水を率いた長谷川氏が後任監督の最有力候補に挙がっていることが判明していたが、梶居強化本部長は「リストに挙げているのは確かです」と初めて認めた。

 近日中に本格交渉に入る予定で、長谷川氏招聘に向けたコーチ陣などの組閣や、選手の補強などに着手している。J2降格したことで、長谷川氏側が就任に難色を示し、交渉が難しくなることも想定。口説き落とすために、主力選手への残留要請だけでなく、補強面でも最大限の誠意を示す。

 今季は、実績が未知数のセホーン監督と呂比須ヘッドコーチの二頭体制で臨み、大失敗した経緯がある。そのため、実績を重視した日本人監督を最優先にした結果、06年から清水を率い、上位に定着させた長谷川氏に一本化した。同強化本部長は「今度は失敗は許されない。相手もいることですが(年内には)決めたいです」と明かした。

 この日は松波監督とも交渉を持った。その席で解任通告はせず、長谷川氏との交渉決裂という最悪の事態も想定し、同強化本部長は「彼も選択肢に入れた中で作業をさせてもらう」と説明。松波監督も“保険”になることを了承した上で、長谷川政権が誕生した際には「監督が代わるなら、プロとして責任を取る」とクラブから身を引く覚悟。コーチ復帰の可能性もあったが、松波監督自身が「選手が混乱する」と固辞した。【益子浩一】