横浜MF中村俊輔(35)が18日、ACミランのMF本田圭佑(27)について初めて口を開いた。日本代表時代の09年にFKキッカーをめぐるやりとりが話題となり、10年のW杯南アフリカ大会で主力の座が入れ替わるなど何かと因縁のある両者。中村はセリエAレッジーナでの経験を踏まえて「限界のさらに上に慣れていける能力がある」と成功に太鼓判を押した。

 日本中をにぎわせている本田の活躍に、かつてのセリエAプレーヤーとして無関心ではいられなかった。中村は横浜・ニッパ球で行われた元日本代表の波戸康広氏の引退試合に参加。試合後、本田について問われると「(ミランは)世界の一流というか、今のバルサみたいなところだった。今でも伝統はあるけどね」。笑みを浮かべて話した。

 02年夏から3年間、レッジーナでプレー。ACミランとは、出場した4試合で1分け3敗と1度も勝てなかった。セルティック時代の07年2、3月には、8強をかけた欧州CLの決勝トーナメント1回戦でも2度(ホーム&アウェー)対戦し、延長戦の末に敗れている。自らも体感したイタリアの名門クラブゆえ「自分と違って、ビッグクラブに入れるのはすごい。一選手としては、うらやましい」と素直に話した。

 ミランの10番を背負い、公式戦2戦目でゴール。結果も残した本田の活躍には太鼓判を押す。

 中村

 セリエAには合うんじゃない?

 ああいう選手は、レベルの高いところにすぐに入っていける。長友もそうだけど、限界のさらに上に慣れていける能力がある。

 09年9月、日本代表のオランダ戦でFKキッカーを巡り対立。前回W杯では、それまで主力だった中村がベンチに座り、代わりに攻撃をけん引したのは本田だった。大会直後に代表引退を公言して以降、中村が本田について多くを語ることはない。珍しく言葉を並べて「限界を超えたプレーができる」と期待した。

 この日は日本代表で背負い、本田と同じ背番号10のユニホームを着て波戸氏の花道を飾った。自家用車に乗り込む際は照れくさそうに「まあ、頑張ってほしいです」とひと言。日本代表で一時代を築いたファンタジスタの言葉こそ、本田にとっては最大のエールとなりそうだ。【由本裕貴】