J2札幌の新人MF前寛之(18)が沖縄合宿3日目の22日、フィジカル面で猛アピールを開始した。1000メートル7本のペース走で、全体ノルマ終了後に、同期内山と志願の8本目まで走りきった。開幕ボランチ候補は河合、砂川、菊岡、宮沢、上原拓に加え実兄の貴之も含めた超激戦区で、まずは運動量の部分で強みを発揮し、最年少からの下克上を狙う。

 前寛が、いきなり走りでアピールした。先輩選手がクールダウンする中、表情を変えずに8本目まで完走した。「この合宿は追い込むのが狙い。いけるところまでいきたかった」。1年目でプロの厳しいノルマを軽くクリアし、古辺フィジカルコーチは「いいね。そういう姿勢は大歓迎」と意識の高さをほめた。

 オフは兄貴之とともに徹底的に走り込み、プロの練習に耐えられるよう絞り込んできた。さらにDF奈良、MF中原に続く3人目の早大eスクール(通信教育過程)入学を目指し、17日に面接試験を済ませた。2月中旬の合格発表を待つ。「メンタル面や、体の構造など選手に必要な知識を高めたいので受けた」。貪欲(どんよく)な18歳が、体と頭をフル稼働させ、定位置奪取を目指す。【永野高輔】