オヤジがいなくても、頼れる兄貴がいる。仙台は宮崎キャンプ6日目の21日、指揮官不在で練習を行った。この日アーノルド監督(50)は都内で行われたキックオフカンファレンスに出席。代わりに指導した渡辺晋ヘッドコーチ(40)は、ボール回しやミニゲームなど約1時間のメニューに「監督からは『前回の練習試合から48時間たっていないので、リカバリーを重点に置くように』と言われていたので」と説明した。

 選手に優しく声をかける姿は指揮官と同じだ。練習中も「丁寧に行こう!」「ボールを走らせて!」と鼓舞し続けた。同コーチは、今キャンプ中にJFA公認S級コーチライセンス合格が発表されたばかり。13年度ではただ1人、Jの監督に就任できる資格を取得し「引退してから9年かかったね」と笑顔を見せた。08年から手倉森前監督を支えた“名参謀”が、アーノルド仙台も躍進させるべく温かい指導を続ける。