日本が1次リーグE組最終戦(12月1日=日本時間同2日未明)で対戦するのがスペインだ。FIFAランキング7位でワールドカップ(W杯)優勝の実績を持つ。4-3-3システムで、中盤で攻撃をつかさどるのが19歳のペドリと18歳のガビ(ともにバルセロナ)。前回大会から世代交代が進み、フレッシュ感あふれるチームとなっている。

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スペインは日本と同じパスサッカーを身上とし、日本にとってはやりやすい相手という声もある。とはいえ、10年南アフリカ大会を制した無敵艦隊を倒すのは容易ではない。

◆守備の要

DF陣はチームの中でも比較的手薄と言える。アルバ(バルセロナ)、アスピリクエタ(チェルシー)の左右サイドバックはともに30代。さらに左を主戦場とするガヤ(バレンシア)が練習で右足首を痛め、離脱する可能性もある。CBのガルシア(バルセロナ)、ラポルト(マンチェスター・シティー)も上背がなく、予測で相手を封じるタイプ。クラブでも度々、失点につながるようなミスを犯しており、日本にとってはくみしやすいだろう。東京五輪にも出場し、身長191センチで球際にも強いP・トレス(ビリャレアル)がリーダーとしてフル回転しないと厳しい。

◆攻撃の要

伝統的に中盤に逸材を輩出し続ける。今回も4-3-3でインサイドハーフを務めるペドリ、ガビが試合をつくる。長年代表を支えてきたブスケツ(バルセロナ)の衰えが顕著で、アンカー役にはマンチェスターCで活躍中のロドリが起用される可能性もある。安泰な中盤に比べ、FW陣には不安が残る。モラタ(アトレチコ・マドリード)はまだ万全ではなく、F・トレス(バルセロナ)、サラビア(パリ・サンジェルマン)の両ウイングの働きがカギだ。

◆監督

ルイスエンリケ監督は、DFセルヒオラモス(パリSG)、MFチアゴ(リバプール)のベテランコンビを代表へ招集しなかった。これはペドリ&ガビを中心に、FWファティ(バルセロナ)、FWピノ(ビリャレアル)を含めた若手を軸にW杯を戦うという意思表示だ。膝のけがに苦しんできた20歳のファティについて同監督は「ケガを乗り越えた選手として彼に言及するのはやめよう。前に招集した時より良くなっている」と話している。

◆弱点

中盤に比べると最終ラインは弱い。日本は前線から厳しいプレスをかけ、攻撃時には常に裏を狙うように心がけることが大事。前田や三笘のような速い選手への対応は特にてこずるのではないか。

◆対戦オッズ

英ブックメーカー「ウイリアム・ヒル」のオッズによると日本勝利8倍、スペイン勝利1・4倍、引き分け4・4倍。下馬評はスペイン優位で揺るがない。【千葉修宏】

(おわり)