サッカー元日本代表FWカズ(三浦知良、55=JFL鈴鹿ポイントゲッターズ)が22日、ドーハの悲劇の地に降り立った。その時以来、実に29年ぶりのドーハ入りとなった。

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会のスポンサーのアンバサダー(大使)としての大会開催国入り。

約12時間のフライトを終え、この日の早朝5時ごろ、ドーハ市内のハマド国際空港に着いた。黒の上下のジャージー、黒い帽子、薄黒のサングラス、白いスニーカー姿でカタールに入国した。

「29年ぶりか。ドーハの悲劇を、新しい歴史をつくる原動力にしてほしい。欧州組が(シーズンを終えて日本に)戻る来年6月には、若い選手を交えて食事会をやりたいね」などと話した。

カズは23日の日本-ドイツ戦、ブラジル-セルビア戦(24日)を観戦した後に帰国する。

◆ドーハの悲劇 勝てば初のW杯出場が決まる試合で終了間際に失点して引き分け、W杯切符を逃した日本サッカー史上、最も悲劇的な出来事。1994年のW杯米国大会のアジア最終予選で、日本は93年10月28日にカタール・ドーハでイラクとの最終戦に臨んだ。カズと中山が得点。中盤のラモスや森保、吉田も奮闘し、2-1で終盤へ。W杯切符を手中にしたかという展開の中、相手にCKを与えた直後にロスタイム突入。イラクはショートコーナーからのクロスにオムラムが頭で合わせた。ボールは放物線を描き、日本のゴールに吸い込まれ、2-2で引き分けてしまった。日本は韓国と2勝2分け1敗で並んだが、得失点差で3位となり、2位以上に与えられるW杯切符を逃した。

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