日本は後半から3バックに変更して徐々に流れをつかみ、ドイツに逆転勝利を収めた。具体的に何がどう変わったのか? 国際サッカー連盟(FIFA)の技術研究グループが最新テクノロジーを駆使して集計したデータから分析、検証した。

膨大なデータの中でも光ったのが、後半から途中出場したDF冨安健洋(24=アーセナル)のプレー数値。安定したパスさばきが際立ち、45分間の出場で21本のパスを出して20本成功。成功率は95・2%という高い数値を記録した。

日本の前半のボール保持率は18%で、ドイツが72%(こぼれ球が約10%)。終始守勢で反撃の糸口すらつかめなかった。後半から入った冨安は「前半は奪ったボールをすぐに失ってしまうことが多かったので、そこを落ち着かせて自分たちの時間をつくることを意識した」と言う。

冨安が入って守備に安定感が出ただけでなく、チームとして後方のパス回しにも余裕が生まれた。冨安がパスを通した選手を見ると、DF吉田やGK権田への横と後方へのパスだけでなく、鎌田に3本、三笘にも2本と中盤の選手にも多くのパスを供給した。ドイツの急所を突くような縦パスで、日本の攻撃を一気に加速させた。

0-1の後半16分、冨安が自陣左サイドでボールを拾って顔を上げた。鎌田の動きに合わせて縦パス。さらに前方の三笘へとつながり、最後は浅野が左足でシュートを放った。冨安の縦パスを起点に相手ゴールまで迫った。

そして同30分の同点ゴールは象徴的。冨安からのやさしい縦パスを受けた三笘が仕掛け、抜け出した南野にスルーパス。左足のシュートはGKノイアーに防がれたが、そのこぼれ球に反応した堂安が左足で押し込んだ。冨安の縦パスを起点に今大会初ゴールが生まれた。

右足を痛めてコンディションが心配されたが、「試合前から準備をして、いろんなシチュエーションを想定していたからこそ、逆転できたのかな」。プレミアリーグで首位を走るアーセナルのDFが、大金星の立役者であることがデータにはっきりと表れていた。