世界屈指のストライカー、ポーランドのFWレバンドフスキ(34)が、W杯通算5試合目にして待望の初ゴールを決めた。1-0で迎えた後半37分、ゴール前でサウジアラビアMFマルキの一瞬のスキをついてボールを奪うと、そのまま左足でゴールに流し込み、勝利を決める貴重な追加点を決めた。

ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンのエースとして、5年連続得点王に輝き、20~21年には41得点というシーズン最多得点記録も樹立。今夏に移籍したスペインリーグのバルセロナでもゴールを量産している。代表でもこれまで歴代最多の76得点をマークしていたが、W杯では前回大会からゴールがなかった。

この日のサウジアラビア戦では前半39分にゴール前でGKとの競り合いからパスを折り返して、MFジェリニスキの先制ゴールをアシスト。全2得点に絡んだ。

9月にロシアの侵攻に苦しむウクライナの元代表FWのシェフチェンコ氏から、ウクライナ国旗と同じ青と黄色の腕章を託されていた。ポーランドはウクライナから多くの避難民を受け入れるなど連帯している。15日にはポーランド東部にもミサイルが着弾し、2人が死亡。レバンドフスキは試合では腕章を着用していないが、持参しているという。

初戦のメキシコ戦では後半のPKをGKオチョアに止められ、W杯の自身初得点を逃すとともに、0-0で引き分けて勝ち点1にとどまった。それだけに「これがW杯。全てを準備しないといけない」と、強い思いでサウジアラビア戦のピッチに立った。1986年大会以来、9大会ぶりの1次リーグ突破へ、ポーランドが誇る万能型FWがようやく目を覚ました。