サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)日本代表に4大会連続で選ばれたGK川島永嗣(39=ストラスブール)が15日、インスタグラムに「この15年。人生すべてをかけてこの日本代表という場所で戦い続けてこられたことに大きな誇りを感じます。日本代表はいつまでも憧れ、そして夢の場所。でもここが一区切り。ここからはまた自分の挑戦に集中していきたい」と記し、代表引退を示唆した。

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どんな苦境にもぶれない。それが川島のスタイルだ。15年夏。ベルギーのスタンダール・リエージュを退団後、半年間、所属チームが決まらず日本代表からも遠ざかった。Jリーグに復帰する道もあったが、欧州挑戦にこだわった。その理由を問うと「ようやく日本人のGKが、自分も含めて欧州で認識されてきたという感覚を抱いてきている。まだまだ自分自身やりたいことが欧州にある」。最後までやり切るのが自分のスタイルだと言い切った。信念を曲げずに進み、欧州で12年を過ごしている。

所属するフランスのストラスブールは外国人枠を使って川島と契約。正GKではないが、語学力はもちろん、若手の手本になる川島の人間性が評価されてのことだ。「他のGKは自分より若い。手助けをするのも1つ。他2人のプレーがいい。その競争を乗り越えるために何が必要か追求したい」。常にポジティブに挑戦を続け、20-21シーズンには24試合に出場した。

18年のW杯ロシア大会の直後は、燃え尽きた感情からすぐに現役続行を口にしなかった。半年後に「まだまだ先を見せてくれたW杯。次を見据えるモチベーションにもなる大会だった」と前を向いた。今回は大会直後のこの時期に「一区切り」と記した。

将来は欧州で指導者の勉強を積み、日本のサッカーに還元し、新しい景色への扉を開いてくれると感じている。【岩田千代巳】