G大阪からオランダ1部フローニンゲンに期限付き移籍するMF堂安律(19)が28日、関西空港から新天地に向け出発した。荷物はスパイクとスエットだけという身ひとつの旅立ちで「圧倒的な数字を残したい」とゴール量産を宣言。8月13日のヘーレンフェインとの開幕戦からスタメン定着を目指す。来年のW杯ロシア大会での日本代表入りを狙う19歳の挑戦が今、始まる。

 早朝の関西空港で家族と別れのあいさつを交わした堂安の顔には、強い覚悟が表れていた。オランダへ持っていく物は「スパイクとスエットだけ」。新天地に向かう前に「ゴールを取って、圧倒的な数字を残したい」と決意を示した。

 今日29日に身体検査を受け、7月1日から練習に合流する予定だ。「クラブからはゴールに直結するプレーを求められている」と話すように、前線のキーマンとして即戦力の期待を受ける。監督の指示や仲間のプレーをしっかり理解するため、半年間は通訳をつける予定。英語も「向こうに行ったらやります」と猛特訓するつもりだ。

 開幕戦は日本代表経験もあるMF小林祐希が所属するヘーレンフェインが相手だ。本拠地が同じオランダ北部で「ダービーだと聞いている。日本人対決は意識するし、負けたくない」と対抗心をあらわにした。

 目指すはW杯ロシア大会のメンバー入り。5月のU-20(20歳以下)W杯は4試合3得点の活躍で、大舞台に強いところは見せた。だが、これまでA代表入りがないだけに、すぐにも結果が求められる。堂安も十分承知しており「ロシアに行きたい。死に物狂いで頑張ってきたい」と言い切った。大きな未来図を描く19歳が、希望を胸に旅立った。【小杉舞】