移籍報道が連日、飛び交うレアル・マドリードFWガレス・ベール(28)について、8日(日本時間9日)にマケドニアのスコピエで行われるUEFAスーパー杯で対戦する、マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督(54)が、獲得の意思を表明した。一方、Rマドリードのジネディーヌ・ジダン監督(45)は、UEFAスーパー杯に向けた練習の際、モウリーニョ監督の発言を伝え聞き「ベールはRマドリードの選手だ」と言い、応戦した。

 モウリーニョ監督は、Rマドリードとの試合を前に英紙サンなどの取材に応じ「Rマドリードの将来のプランにベールが入っていない…つまり彼が出て行くことを意味するようなことがあるなら、獲得レースに参戦する」と明言した。Rマドリードが、モナコのフランス代表FWキリアン・エムバペ(18)獲得に動いている一方、ベール放出の可能性があり、マンチェスターUが獲得の準備をしているという欧州各国メディアの報道を、自ら認める格好となった。

 モウリーニョ監督の発言後、Rマドリードはマケドニアで試合に向けた練習を行い、ベールも参加した。練習中、ジダン監督がベールに向かって話しかける場面もあった。同監督は練習後、欧州各国メディアの取材に応じ「重要なのは選手がいい気持ちでいるか、どうかだ。ベールは集中して、ずっと練習に取り組んでいる。それこそが重要だ。昨季の終盤、ベールはケガで4カ月、離脱した。難しい時期を過ごしただろう。でも、彼は今、非常に集中している」とベールの姿勢を評価した。その上で「ベールはRマドリードの選手…それが私の言えることの全てだ」と断言した。

 UEFAスーパー杯は、日本時間9日午前3時45分にキックオフする。モウリーニョ監督は「もし我々との試合に彼が出るなら、ジダン監督とクラブのプランに入っているわけで、彼も残留するモチベーションがあるのだろうから、私は獲得しようとは思わない。可能性はないからだ。彼の残留の意思を確認する最適の判断材料は、彼が我々との試合に出ることだ」と、UEFAスーパー杯にベールが出場するか否かが、獲得レース参戦の判断基準になると語った。

 昨季の欧州チャンピオンズリーグ優勝のR・マドリードと欧州リーグ王者のマンチェスターUが激突するUEFAスーパー杯のピッチ上で、ここに来て大物選手の移籍が相次ぐ欧州サッカーシーンの行方を左右する、ベールの移籍問題も1つの大きなヤマ場を迎える可能性が出てきた。