ドイツ1部ドルトムントの日本代表MF香川真司(28)が26日、年俸の1%をチャリティーとして寄付する「コモン・ゴール」プロジェクトに参加すると表明した。日本人、そしてアジア人として初めてとなる。

 

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスターU時代に同僚だったスペイン代表MFフアン・マタ(29)が今年8月に立ち上げたもので、これまでにドイツ代表DFフンメルス(Bミュンヘン)MFニャブリ(ホッフェンハイム)DFアオゴらが賛同。寄付金は、世界で120以上の慈善団体とのネットワークを持つ『ストリート・フットボール・ワールド』を通じて分配され、世界を代表する選手の力が慈善事業に役立てられる。インドにおける男女の同権、コロンビアの平和構築、ドイツでは移民の社会への受け入れ等の問題に取り組んでいるという。

 

 香川は「今日、マタ選手が立ち上げた『コモン・ゴール』チームへの参加を表明することができて非常にうれしく思います。サッカーは僕自身にたくさんの機会を与えてくれました。これからは僕がたくさんの人々をサポートする役目だと思っています。『コモン・ゴール』は世界中で急速に広がっている活動です。僕は日本から広げていくことを誇りに思っています」とコメントした。

 

 また、17歳の時に日本のセレッソ大阪で始めたプロキャリアを振り返り「僕はサッカーのおかげで日本、英国、南アフリカ、ブラジル、そしてドイツをはじめとする多くの国々でプレーすることができました。この旅の中で常に僕の目にとまったのは情熱でした。サッカーは、人々に希望と喜びを与える世界唯一のものです。僕が『コモン・ゴール』に強く共感しているのが、この情熱を1つの媒体として、世界の中で恵まれないコミュニティーにいる人々の環境を変えることができるからです」と賛同した理由を説明した。

 

 公式ブログも更新した。数カ月前、香川の携帯電話に1通のショートメールが届いたという。差出人はマタ。「あれ? マタからのメール? 久しぶりだな、どうした?」と思ってメールを確認すると「一緒に世界の人々のために、ともに活動をしないか? シンジが興味を持ってもらえるなら詳しく話がしたい!」と書かれていた。

 

 香川のマタに対するイメージは「マンチェスターUに所属したシーズン、マタとは個人的に気も合うし、プレーをしていても何か同じ時間を共有できる選手の1人であり、親交も深かった選手の1人です」という良いもの。さらに「コモン・ゴール」の活動に関しても、インターネットの記事を読んで既に知っており、興味もあったという。

 

 ドルトムントで同僚だったDFマッツ・フンメルス(Bミュンヘン)も活動に加わっていたため「マッツも参加したと聞き、僕も何かできないか、シーズンの中断期などでタイミングをみて、マタに連絡をしようと思っていた」という。そんな時に偶然の誘いがあり「何というか、こんなタイミングが合うことがあるんだ、と感じましたよ。僕の中では即答でしたね。何か一緒にやらしてくれって!」と一気に賛同した。

 

 活動の詳細など、具体的な部分は今後詰めていく。「選手発信で皆が協力して活動をしていけるスキームは今後も必要ですし、重要なこと。日本人として、アジア人としてもスポーツやサッカーを通じ、このような活動ができること。世界中にスポーツで知り合った仲間がいること。そして、その仲間を通じて活動ができることは素晴らしいと感じています」とメッセージを寄せ、最後に「お時間のある時にでも、ぜひマタの活動を見てください」と、紹介動画(https://www.youtube.com/watch?time_continue=82&v=x_SLnzg8KKQ)のリンクを張りつけた。