【アーネム(オランダ)10月31日=エリーヌ・スウェーブルス通信員】オランダ1部フィテッセのレオニード・スルツキー監督(48)が、この日から練習参加した本田圭佑(33)の獲得を望んでいることが分かった。クラブ関係者が明かした。所属先のない本田は前日30日にツイッターで“予告”した通り、早速練習に加わり猛アピール。来年の東京五輪に、24歳以上のオーバーエージ(OA)枠で出場し金メダルを獲得するという大目標へ、現在1部4位のフィテッセが新天地となる可能性が高まった。

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実に12年ぶりに練習生となった本田は、笑顔でピッチに足を踏み入れた。チームの黄色い練習着に青いスパイクを履いて登場。約1時間15分、フルメニューをこなした。6対6の実戦形式のメニューでは、早くも同組の選手に英語で指示を出すなど、猛アピール。CSKAモスクワ時代にも指導を受けたスルツキー監督から、プレーを褒められる場面もあった。関係者によれば、指揮官は獲得を望んでおり、練習参加もたっての希望だという。

本田は練習後、すべて英語で地元メディアの取材に応じた。参加期間は未定だが、このチームで「フィットしている(=準備ができている)ことを見せないとオファーはこない。それが一番の目的。全力を尽くす」と誓った。互いによく知る指揮官とは、早くも相思相愛。あとは契約条件も含めクラブがどう判断するかだが、クラブ公式ツイッターは「頑張って」と日本語でつぶやくなど好材料ばかり。初日から、新天地決定に大きく前進したようだ。

あらためて「来年の五輪でプレーしたい」と、目標を口にした。昨年のW杯ロシア大会後、24歳以上のOA枠での東京五輪出場&金メダル獲得という壮大な目標をぶち上げ、現役続行を決めた。そのためにオーストラリアAリーグの強豪メルボルン・ビクトリーを退団後、ふさわしいチームでの欧州復帰を模索してきた。契約については「分からない。自分が決めることではない」と冷静に話したが、揺るぎない自信があるようだ。

VVVフェンロ在籍時以来、約10年ぶりの“復帰”を果たした久しぶりのオランダで「当時と今の本田は、同じ選手か?」と聞かれた。すると「同じではない。より良くなった。そう思う。進化を示すチャンスがあるといい」と力強く言い切った。