【マドリード25日(日本時間26日)=高橋智行通信員】バルセロナFWリオネル・メッシ(33)がクラブに退団を希望する意思を伝えたと、スペイン各紙を含む欧州メディアが一斉に報じた。以前からクラブに不満を持っていたとされ、去就が注目されていた。契約の中で設定されている移籍金は、史上最高額となる7億ユーロ(約875億円)だという。あまりにも高額ゆえ、今後はこの金額をめぐって法廷闘争にも発展しかねない状況だ。

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バルセロナ一筋でプレーしてきたメッシがついに退団を決意したようだ。弁護士を通じ、法的文書を送る際などに使う「ブロファクス」というサービスで、クラブに通達したという。スペインの一部メディアは、この画像だとして、一部が黒く塗りつぶされた書面を掲載した。

メッシは以前からクラブ幹部に不信感を持っていたとされる。チームは今季12季ぶりの無冠、欧州チャンピオンズリーグ準々決勝でバイエルン・ミュンヘンに2-8と屈辱的な大敗でシーズンを終え、将来性にも懐疑的になったようだ。クーマン新監督が親友のFWスアレスに戦力外通告したことも、引き金になったとみられる。

とはいえ、他クラブへの移籍はすんなり実現しそうにはない。契約では、6月10日までに退団を伝えた場合は一方的に契約を解除できるが、それ以降の場合は7億ユーロの移籍金が発生。これに対し、メッシの弁護士は新型コロナウイルスの影響を受けてシーズン終了が遅れたため、当初の契約通りにはいかないと主張。今後は法廷闘争、泥沼化する可能性もささやかれる。

天文学的数字の移籍金に加え、少なくとも50億円超とされる高額年俸を払えるクラブは限られる。マンチェスター・シティー、マンチェスター・ユナイテッドや、インテル・ミラノ、パリ・サンジェルマンなどの名が報じられているが、果たして…。

○…メッシ移籍の可能性がこれまでになく高まったことを受け、SNS上には多くのクラブのサポーターが、勝手にメッシを獲得!? し夢を膨らませている。アイコラ的な加入画像が作成され、アップされ続けている。世界中の数え切れないほどのクラブのユニホームを“着用した”メッシがネット上にあふれている。世界中に「○○のメッシ」が存在するのと同様に、いかに特別な存在かが分かる。