【ビリャレアル=高橋智行通信員】ビリャレアルがホームでレアル・マドリードと対戦し、1-1で引き分けた。Rマドリードから期限付き移籍している日本代表MF久保建英(19)は後半44分から途中出場し、短い出場時間ながらも見せ場をつくった。

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代表ウイーク後初戦、エメリ監督率いるビリャレアルはリーグ戦で5ゴールを決め、得点ランキングで2位につけるエースFWのパコ・アルカセルをケガで欠いた中、前節ヘタフェ戦から1選手を入れ替え、いつも通りの4-3-3でプレーした。久保は公式戦2試合連続、リーグ戦3試合連続でベンチスタートとなった。

DFセルヒオラモス、FWベンゼマ、MFカゼミロ、MFバルベルデなど7選手を欠いたジダン監督指揮下のRマドリードは、前節バレンシア戦から7選手を変更し、4-2-3-1で戦った。アザールが新型コロナウイルス感染から先発復帰した。

Rマドリードは開始2分、DFカルバハルのクロスから、それまで今季の公式戦わずか1試合、14分間しかプレーしていなかったFWマリアーノがダイビングヘッドで先制する。その際、その前のプレーでMFルーカス・バスケスのポジションがオフサイド気味だったが、VAR確認後にゴールが認められた。

その後はビリャレアルがパスを回して攻撃の糸口を探し、20分にFWジェラール・モレノが右サイドから入れたクロスをMFパレホがヘッドで合わせるも枠を捉えられなかった。さらに25分にMFトリゲロスがヘディングシュートを放つもDFに阻止された。

一方、ビリャレアルのハイプレスに苦しんだRマドリードは32分、DF裏に抜け出たカルバハルがシュートを打つもわずかに枠外だった。

両チームにあまり決定機のなかった前半、ビリャレアルは優勢に試合を運ぶも決定力を欠き、Rマドリードリードで終了した。

両チームとも選手交代なく後半がスタート。ビリャレアルは12分、MFクロースのパスをパレホがブロックした後、ルーズボールを拾ったトリゲロスが前線にスルーパスを通し、ジェラール・モレノが決定機をつかむも、わずかに枠を捉えられなかった。

その後、エメリ監督は17分にMFチュクウェゼ、DFエストゥピニャン、MFジェレミの3枚を同時投入し、同点ゴールを目指すと、25分、エストゥピニャンが左サイドからグラウンダーのクロスを入れ、パレホが決定的チャンスをつかむも、ペナルティーエリア正面からシュートのシュートは大きく枠を外れた。

そして迎えた30分、エストゥピニャンのスルーパスに抜け出したチュクウェゼがGKクルトワに倒されPKを獲得。それをジェラール・モレノが冷静にゴール左下隅に決め、ビリャレアルが同点にした。

同点後、ビリャレアルは積極的に追加点を狙いにいき、37分にジェラール・モレノが決定的チャンスを得るも、ギリギリのところでヴィランに阻止された。

44分には久保が登場。左ウイングでプレーし、前線から積極的にプレスをかけ、47分にはジェラール・モレノからペナルティーエリア内左サイドでフリーで受け、決定的チャンスを迎えた。しかし中に入れようとしたボールはカットされ、ゴールにはつながらなかった。

そして48分には右サイドでドリブルを仕掛け、つかんで止めたクロースのイエローカードを誘発した。短い出場時間ながら見せ場を作り存在感を示した久保だったが、決勝点を生むことはできなかった。

強豪Rマドリードにほとんどチャンスを作らせなかったビリャレアルは1-1で引き分け、リーグ戦成績は10試合5勝4分け1敗の勝ち点19で暫定ながら2位をキープしている。