ウクライナは延長戦の末、スウェーデンに2-1で競り勝ち、初の8強入りを決めた。準々決勝ではイングランドと対戦する。

前半27分、右のヤルモレンコからファーでパスを受けたジンチェンコが、巧みなハーフボレーで先制ゴールを決めた。だが、同43分にフォシュベリのゴールで追いつかれ、1-1のまま延長戦に突入。その前半9分に相手に退場者が出て数的優位を手にし、攻め立てながらもなかなかゴールを割れなかったが、土壇場の延長後半ロスタイムにドブビクが左クロスに頭を合わせて決勝ゴールを奪った。

この劇的勝利に、シェフチェンコ監督は「両チームともよくプレーしたし、面白い試合だった。どちらも負けたくなくて、そんな気持ちがドラマを呼んだ」と相手の奮闘もたたえた。

殊勲のゴールを決めたドブビクは3月に代表デビューしたばかりで、この日が代表3試合目、延長後半からの途中出場だった。「みんなが僕をヒーローだと言っても、僕はそう思っていない。僕はやっと自分の感覚を取り戻しつつあるだけ」と謙虚に話しつつも、「今夜は眠れそうにない。長い夜になりそうだ」とうれしさは隠しきれない。

ジンチェンコは所属するマンチェスター・シティーでは左サイドバック、代表では中盤の中央でプレーすることが多かったが、この日は左ウイングバックでの起用。「監督が求めるプレーをする準備はできている。スウェーデンは組織だったチームだから、僕らはユニットとしてコンパクトに戦う必要があった」と振り返る。同時に同国初の準々決勝進出に「歴史的快挙だ。お祝いしよう、とみんなに言いたい。人生は1度きり、2度とこの瞬間はないのだから」と、興奮さめやらぬようだった。

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