チェコはデンマークに1-2で敗れ、8強どまりで大会を去った。

前半5分、相手CKからディレイニーをフリーにしてしまい、ヘッド弾を許したのが痛かった。同12分、エースFWシックがシュートも相手がブロック。同22分には相手GKシュマイケルのパスミスをマソプストが拾い、パスを受けたホレシュがシュートも、GKにセーブされた。シックにはいい形で球が渡らない時間が続いた。さらに同42分にも右サイドから崩されて失点した。

だが、後半開始時にヤンクト、クレメンチークという攻撃的選手を投入。同1分にクレメンチーク、同2分にはバラークがシュートを放つ。同3分にはシックがオーバーヘッド気味のシュートを試みて、これも決まらなかったが、この攻めの姿勢が次につながった。同4分にツォーファルの右クロスにシックが右足をダイレクトで合わせて1点を返す。シックは今大会5点目だった。

その後も積極的にゴールを狙ったが、最終局面で精度を欠いたり、相手の好守に阻まれる。同29分には右からのバラークのFKにファーでソーチェクが飛び込むも、直前でGKシュマイケルにはじかれ、決定機を逃した。ソーチェクは相手との接触で出血し、頭部を包帯で巻いてのプレーだった。

シックは敗戦後、「すべてがここで終わってしまい、みんな失望している。後半はFWを増やしてより速くプレーし、よりプレッシャーをかけようとした。早い時間帯のゴールで望みが膨らんだが、同点にする術がなかった。最後は力尽きた」と残念がった。初戦で50メートル級のスーパーゴールを決めて脚光を浴び、今大会をきっかけにさらに飛躍することが期待される点取り屋となった。

また、何度も好セーブを演じたGKバツリークは「このチームを誇りに思う。特に後半は全力を尽くしたと、頭を上げて帰ることができる」と話した。「このチームは特別な何かを持っている。時間がたつにつれ、この大会からポジティブなものしか見つけられないだろう」とも。イングランド、クロアチア、スコットランドと難敵ぞろいの1次リーグD組を突破し、決勝トーナメント1回戦では強豪オランダを下したプライドがにじんだ。