イタリアがPK戦の末にスペインを下し、2大会ぶりの決勝進出を果たした。後半15分にキエーザが先制弾、同35分に追いつかれ、1-1で延長戦に入るも決着はつかず。PK戦では相手4人目モラタのキックをGKドンナルンマが止め、自軍5人目ジョルジーニョが決めて勝負がついた。イタリアは無敗記録を33試合に伸ばした。

勝利の立役者GKドンナルンマは「PK戦が始まる前、自分がチームを救うことができると思って、落ち着いていた」と振り返った。PK戦に向かう際、主将キエリーニは笑顔で審判団らと接し、ドンナルンマも柔らかい表情で相手GKウナイ・シモンとハグ。スペインの選手の方が緊張の面持ちだった。

ドンナルンマはPKを止めただけでなく、前半25分のオルモのシュート、後半13分には正面からのオルヤサバルのシュートなど好守を連発。先制点の場面も左サイドを使った速攻の起点になっていた。

さらにドンナルンマは「みんなに感謝したい。夢を現実にするまであと1歩。スペインはとても強かったけど、このイタリアには勇気がある。絶対にあきらめなかった」と続けた。前半から押し込まれ、今大会では初めて劣勢続き。アキレス腱(けん)断裂で離脱したスピナッツォーラの不在もあり、効果的なカウンター攻撃もままならなかった。

ボール支配率は35%、シュート数は7本うち枠内4本(スペインは16本うち枠内4本)で、パス本数は相手934本の半分以下の404本、さらにパス成功率は相手の89%に対して76%どまり。データ上は大きく劣ったものの、キエリーニ、ボヌッチのベテランセンターバック2人とドンナルンマが最後のとりでとなって、勝機を引き寄せた。

そんな中での勝利に守護神は「スペインにボールを支配され、多くの困難があったが、僕らは決勝でプレーするのにふさわしいと思う」と、伝統の守備に誇りを持つ。

11日(日本時間12日)の決勝では7日(同8日)のイングランド-デンマークの勝者と、1968年大会以来の優勝を目指して対戦。「今は決勝について話したくない、この瞬間を楽しみたい。考えるべき時がきたら、考えるよ」と、喜びに浸っていた。

 

「スコア詳細」はこちら>>

◆欧州選手権はWOWOWで全試合完全生放送、WOWOWオンデマンドで全試合ライブ配信される。