イングランドが延長戦の末にデンマークを2-1で下し、初の決勝進出を果たした。11日(日本時間12日)の決勝では1968年大会以来の優勝を目指すイタリアと対戦する。

試合序盤はほぼ互角の戦い。前半13分、イングランドはケーンから左のスターリングに球が渡るもシュートは力なく、GKシュマイケルに止められる。同16分にはデンマークが相手のパスをカットしてから、最後はブレイスウェイトがシュートも枠を外した。

同30分、デンマークはペナルティーエリア手前やや左からFK。21歳デムスゴーのキックは4人の壁の上を越えて落ち、バー下ぎりぎりを通って決まった。GKピックフォードはわずかに指先に触れるのが精いっぱいだった。FK弾は今大会通じて初めて。イングランドにとっては今大会初失点となった。

同38分にはイングランドのスターリングのシュートをGKシュマイケルが腹部ではじき返す。だが、直後の同39分、ケーンから右のサカへボールが渡り、そこからスターリングをめがけての低いクロス。これが相手DFケアーのオウンゴールを誘って同点となった。セットプレーなどで、デンマークの高さに阻まれていただけに、低い球が有効だったのかもしれない。

イングランドは後半10分、FKからマグワイアがヘッドへ左隅を狙うもGKに阻まれ、同19分には波状攻撃から最後はマウントがシュートもGKに好捕された。

デンマークの消耗は明らかで、選手交代をしても劣勢が続き、後半終盤は相手の猛攻に耐えて、なんとか延長戦に望みをつないだ。

イングランドは延長前半14分、スターリングが倒されたとしてPKを獲得。ケーンのキックはいったんはGKシュマイケルに阻まれるが、こぼれ球を自ら蹴り込んで決勝点とした。

初戦で大黒柱のエリクセンが一時心停止となって搬送され、1次リーグ2連敗の崖っぷちから16強入り、1992年大会以来の優勝を狙って快進撃を続けたデンマークは準決勝で力尽きた。

イングランドはボール支配率58%、シュート数21本うち枠内10本(デンマークは同6本うち枠内3本)だった。

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