欧州選手権決勝が11日(日本時間12日早朝)、英ロンドン・ウェンブリー競技場で開催される。初優勝を目指すイングランドにとって、ホームの大観衆の前で戦えるのは何よりのアドバンテージだ。カギはエースで主将のFWケーン(トットナム)。決勝トーナメントに入ってから3試合4ゴールと好調だ。対するイタリアはマンチーニ監督のもと近代的なパスサッカーが浸透しているが、ここ一番では伝統の「カテナチオ」がものをいう。

ともに堅守を持ち味とし、準決勝に続いて1点を争う接戦が予想される。イングランドは準決勝で今大会6試合目にして初めて失点したが、マグワイアら2018年ワールドカップ(W杯)4強メンバーがそろう守備陣に安定感がある。4バックと5バックを併用し、後半にリードしていれば手堅く守りを固める可能性が高い。攻撃陣も18年W杯の主力が中心。エースのケーンは決勝トーナメント3試合で4得点と好調で、スターリングは武器のドリブルに加えて3ゴールと決定力を示している。

イタリアは22歳の若き守護神GKドンナルンマ、36歳のキエリーニと34歳のボヌッチという名門ユベントスの両ベテランDFが伝統の堅守を支える。前線もインモビレ、インシニェと30代の経験豊富なFWが健在。今大会はキエーザら5人が2得点をマークし、試合ごとに違うヒーローが生まれ一体感が高まっている。決勝トーナメントは全て1点差以内の接戦を制し強豪のベルギー、スペインを倒した。18年秋から33戦無敗(27勝6分け)と勝負強さが際立ち、06年W杯以来のビッグタイトルを狙う。

◆テレビ放送 欧州選手権決勝はWOWOWで生放送、WOWOWオンデマンドでライブ配信される。