22年ワールドカップ(W杯)カタール大会1年前の「予行演習」として行われる21年アラブ杯が11月30日に開幕。W杯で使用される2つのスタジアム「アル・ベイト・スタジアム」「スタジアム974」がお披露目となった。

カタール-バーレーン戦で開場となったのが6万人収容で、W杯開幕戦での使用も予定されているアル・ベイト・スタジアム。試合前にはアラブ杯全体のオープニング・セレモニーが行われ、予選参加国も含めたアラブ諸国23カ国の国歌がメドレーで流されるなど雰囲気を盛り上げた。カタールのタミム首長もスタジアムを訪れてオープニングを祝った。

「アル・ベイト」は家という意味で、湾岸地域の遊牧民が使用してきたテントをもとにしたデザインが特徴的。スタジアム内外に豪華なつぼやじゅうたんなどアラブ世界を象徴するアイテムが配されている。試合はカタールがMFハテム(アルライヤン)のゴールで、1-0で勝利。ホスト国として幸先のよいスタートを切った。

その試合の直後に、今度はスタジアム974がオープン。4万人収容の同スタジアムは貨物コンテナを主な建築資材として使用し、その外観から「レゴブロックで作られたスタジアム」とも言われている。W杯後には完全解体され、すべての資材が別の建物の建築材料として再利用されるという環境に優しいスタジアムだ。試合はUAEが1-0でシリアに勝利した。

その他の会場ではチュニジアが5-1でモーリタニアに勝ち、W杯アジア最終予選にも出場中のイラクとオマーンが1-1で引き分けた。

W杯カタール大会組織委員会のアルタワディ事務総長の話「エキサイティングな4試合と、W杯で使用される2つのスタジアムの開場によって、アラブ杯は素晴らしいスタートを切りました。我々はこの2つのスタジアムに大きな誇りを持っています。アル・ベイトはカタールおよびアラブの文化に敬意を示しており、スタジアム974は革新性と持続可能性の道しるべとなるものです。両スタジアムともアラブ杯、そしてW杯を訪れる世界中のファンの方々に楽しんでもらえる最先端のものです」

国際サッカー連盟(FIFA)インファンティノ会長の話「アル・ベイトはみんなが1つになり、みんなが集まってくる“家”です。それはW杯が表しているものを象徴しています。今日、アラブ杯が示したものは、世界中から人々が集まり1つになるというW杯が表現するものと同じものです。この美しく、象徴的なスタジアムで試合ができるのは素晴らしいことで、W杯の成功にもつながるでしょう」