アフリカ選手権・決勝トーナメント1回戦カメルーン-コモロ戦の直前、会場のポール・ビヤ・スタジアムに多数のファンがおしかけ、少なくとも8人が競技場の外で圧死し、38人が負傷した。カメルーン政府が25日発表した。

開催国カメルーンの雄姿を見ようとスタジアムには5万人がつめかけた。だがゲートが1つしか開いておらず、ファンはスムーズに入場することができなかった。フェンスを乗り越えたり、バリケードを突破しようとするファンが現れ、現場は混沌(こんとん)とした状態に。そんな中、入場を待っている人々が後ろから来た人々に押しつぶされ、地面に倒れて他のファンに踏み付けられる人もいたという。

カメルーンがアフリカ選手権を開催するのは1972年以来、50年ぶり。カメルーンは19年大会を開催する予定だったが、スタジアムの準備状況が遅れ、治安の悪さもあり、エジプトに開催国が変更となった。そんな経緯もあり、この日は代表チーム見たさにスタジアムにファンが殺到。悲劇が起こってしまった。

凄惨(せいさん)な事件が発生したにもかかわらず、試合は予定通り開催され、カメルーンが2-1でコモロに勝利。だがアフリカサッカー連盟(CAF)のモツェペ会長は「ファンの安全が保証されないかぎり、今後、同スタジアムで試合は開催しない」と話した。