リバプール(イングランド)が3-2でビリャレアル(スペイン)に逆転勝ち。2戦合計5-2で、優勝した18-19年シーズン以来、3季ぶり10度目の決勝にコマを進めた。すでにイングランド・リーグ杯を制しており、史上初の4冠(欧州CL、プレミアリーグ、FA杯、リーグ杯)にまた1歩近づいた。南野拓実(27)はベンチ入りしたが出番はなかった。

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リバプールにとって冷や汗ものの展開だった。第1戦でシュート1本(枠内は0)に封じて完勝したビリャレアルに前半3分、同41分と2失点。前線からのインテンシティー(強度)の高い守備にも苦しみ、ハーフタイム時に2戦合計2-2と振り出しに戻された。

しかしクロップ監督の采配がこの日もさえた。後半頭からコロンビア代表FWディアスを投入。ドリブル突破、スペースに走り込む動きにたけた同FWが相手を翻弄(ほんろう)。後半17分にファビーニョ、同22分にディアス、そして同29分にマネが立て続けにゴールを決めて逆転勝ちした。

クロップ監督にとってはドルトムント時代も含めて4度目の決勝進出。ミゲル・ムニョス(レアル・マドリード)、アレックス・ファーガソン(マンチェスター・ユナイテッド)、マルチェロ・リッピ(ユベントス)、カルロ・アンチェロッティ(Rマドリード)という名将と最多で並んだ。「本当に素晴らしい。初めての決勝のような気持ちだ。世界最高の大会で決勝に進むのはいつでも特別なことだから」と喜んだ。

この日の3点でリバプールの今季公式戦得点はクラブ史上最多139点となった。「歴代最強」リバプールはすでにリーグ杯を制覇。プレミアリーグでも首位マンチェスター・シティーと勝ち点1差の2位につけ、14日にはチェルシーとFA杯決勝を戦う。欧州CLも含めて4冠を狙える絶好の位置にいる。

これまで4冠に最も近づいたのはモウリーニョ監督が率いた06-07年シーズンのチェルシー。リーグ杯とFA杯を制したが欧州CLは準決勝でリバプールに敗れ、プレミアリーグはマンチェスター・ユナイテッドに優勝をさらわれた。

今季公式戦で30ゴールのサラーは「これで4冠がターゲットになった。いつも欧州CLとプレミアリーグに集中しているが、今や狙わない手はない」と全トロフィー獲得を視野に入れた。