今夏クラブの資産を切り売りしたバルセロナのサラリーキャップ(年俸や移籍金の分割分なども含めた人件費をクラブ収入の70%程度に制限するもの)が、冬の時点から8億ユーロ(約1120億円)も増え、6億5650万ユーロ(約919億円)にまで上昇したことが分かった。スペインリーグが9日に認めたと、ESPN電子版が報じた。

バルセロナは冬の移籍市場での積極補強によって多大な損失を出し、冬の時点でのサラリーキャップが異例のマイナス1億4400万ユーロ(約202億円)と算出されていた。

そんな状況の中、バルセロナは今後25年間の国内テレビ放映権の25%を売却。さらに選手の映像などを製作する子会社「バルサ・スタジオ」の株式49%も手放した。これらによって得られた収入は7億ユーロ(約980億円)を超えるものだった。

そのためサラリーキャップの額が増え、1億5000万ユーロ(約210億円)をかけてレバンドフスキやラフィーニャ、クンデらを獲得することにも成功した。

バルセロナはこれまでもサラリーキャップに苦しみ、昨夏はチームの顔であるメッシを手放さざるを得なかった。そこから冬にはマイナスのサラリーキャップを算出されるという事態に陥った。そんな中で将来の資産を売却するという荒療治とはいえ、クラブの財務を劇的に立て直した形となった。

今夏のスペインリーグのサラリーキャップ1位は依然としてレアル・マドリードで6億8350万ユーロ(約957億円)。バルセロナは2位で、3位がアトレチコ・マドリードの3億4100万ユーロ(約477億円)となっている。