パリオリンピック(五輪)アジア1次予選を突破したサッカー女子ウズベキスタン代表の本田美登里監督(58)が18日、オンライン取材に応じ、2次予選での女子日本代表(なでしこジャパン)との対戦を心待ちにした。

女子ウズベキスタン代表はこのほど、1次予選をA組首位で突破し、10月に予定されている2次予選に進出。2次予選からは日本、韓国、オーストラリアなどシード5カ国も参加する。 本田監督は、2次予選で対戦する可能性を問われると「日本、ウズベキスタンの女子サッカーに興味を持ってもらえるタイミング」と期待し「日本の失点を何十年見ているので、ちょっとボール放り込んだらおもしろいかなと思っていますけど」と対戦を心待ちにした。

ウズベキスタンの選手になでしこジャパンの試合をビデオで見せ、ポゼッション、組織的守備、ラインコントロールなどを指導している。ウズベキスタンの選手は日本をリスペクトしており「日本と韓国とは2次予選で当たりたくない」と話している一方で、オーストラリアには勝てると自信を抱いているという。本田監督は「その慢心が怖い」と苦笑した。

本田監督は日本の女子サッカーの草分け的存在で、女性初のS級コーチの資格を取得。読売メニーナ、岡山湯郷、長野パルセイロレディースなどの指導を経て、昨年から女子ウズベキスタン代表監督に就任した。

現在のウズベキスタン女子サッカーの現在地を「35年前の日本」と評する。合宿の集合で、時間通りに来たのは選手スタッフを含めわずか3人。集合日の練習場が他チームが使っているダブルブッキングもあった。

選手には「ウズベキスタン代表の選手だから、どこから見られても恥ずかしくない立ち居振る舞いをしよう」と、規律の基本から指導。集合時間や朝食に来ない選手は、たとえ主力選手だろうが招集をしなかった。ウズベキスタンサッカー協会のスタッフからは「なぜ(主力選手を)外すのか」と文句を言われたが、規律重視の姿勢をぶらさなかった。その選手は、クラブの練習から真摯(しんし)にサッカーに向き合うようになり、代表に再招集されることになるが、選手の中で「監督に逆らうと、代表から外される」と規律が浸透していった。選手の猛反撃を食らうリスクもあったが、覚悟の上で自身の考えを貫いた。

1次予選突破に「一番大きなミッションだった1次予選破したことはほっとしています。選手を招聘(しょうへい)しても選手が来ないとか。練習当日のグラウンドがないとかドタバタでしたが、最終的に勝ててほっとしています」と振り返っていた。