欧州司法裁判所が21日、欧州スーパーリーグ創設を阻止した国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)の措置が違法との判決を下した。

欧州スーパーリーグは21年4月18日、レアル・マドリード、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッドなど欧州の主要12クラブにより創設が発表された。その直後、FIFAとUEFAは全面的に反対する声明を出し、同大会の参加クラブおよび選手に対し、ワールドカップ(W杯)や欧州CLといった主催大会への参加禁止などの処分を科すことを示唆。これにより最終的にマドリードとバルセロナ以外の10クラブが撤退することになった。

欧州司法裁判所は今回、FIFAとUEFAがその際に各クラブに圧力をかけた行為が欧州の競争法に反しており、権力の乱用との判決を下した。

しかし現時点で、アトレチコ・マドリード、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン・ミュンヘン、ドルトムント、パリ・サンジェルマン、ローマといったクラブが、欧州スーパーリーグ創設反対の声明を出している。

一方、欧州スーパーリーグの運営を担当するA22スポーツ・マネージメントはこの判決を受け、新たな大会方式を提案した。初年度に参加するクラブは、これまでの成績に基づいて決定し、全試合無料で配信される予定になっている。男子は64クラブが参加し、スターリーグ(16クラブ)、ゴールドリーグ(16クラブ)、ブルーリーグ(32クラブ)の3部制で構成。女子は計32クラブの2部制となる予定だ。各リーグ間で昇格、降格があり、各クラブ年間最低14試合を戦うことになる。

男子に関して、1部スターリーグと2部ゴールドリーグはそれぞれ8クラブの2グループ、3部ブルーリーグは8クラブの4グループに分かれ、9月から4月にかけてホーム&アウェー方式で行われる。その後、8クラブ参加のトーナメント制で優勝、昇格が決定。スターリーグとゴールデンリーグは各グループの上位4クラブ、ブルーリーグは各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進出。準々決勝と準決勝はホーム&アウェー、決勝は1試合制で実施される。そしてシーズン終了後に昇格、降格が行われる。一番下のブルーリーグに新たに参加するクラブは、国内リーグの成績に基づいて決定され、32クラブ中20クラブが入れ替わることになる。(高橋智行通信員)