パリオリンピック(パリ五輪)出場を決めているU-23(23歳以下)ウクライナ代表が、日本代表と福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で25日に対戦する。

同所で前日会見に臨んだルスラン・ロタン監督(42)は、ロシアから侵攻を受ける中、チームが五輪に出場する意味を語った。

リラックスした表情で会場に入ってきた指揮官は、真剣な顔で、冒頭にこう述べた。

「まず、日本の国民の皆さまにウクライナの国民を代表し、これまでご支持、支援いただき感謝の言葉を述べたい。ありがとうございます。この機会に際してサッカーを通してウクライナのことをより身近に感じていただければ」

ウクライナが戦禍にあることを改めて思い起こさせるような会見の始まりだった。その上で、「私たちのチームを編成する上で日本という質の高いチームと対戦することは、大事なこと」と対戦の意義を語った。

チームは今夏のパリ五輪出場権を獲得している。

「戦争の真っただ中ではありますが、選手が最大限努力しようとしているのが大事。五輪の権利を獲得しました。それはウクライナという国、国民にとって大事。より良い結果を残すことで戦禍にある国民たちを励ますことができると考えている」

国内で代表チームの練習をできる環境にはなく、欧州の隣国の練習拠点を借りてなんとか活動しているという。五輪代表だけでなく、A代表も6月に開幕する欧州選手権の出場権が目の前に迫っている。「戦争下であっても良い結果を残すように選手たちは頑張っています」と話した。【佐藤成】

U-23ウクライナMFカシュチュク(ロシアから侵攻を受ける中での代表活動に)「前線で頑張っている兵士とともに我々も国を守っている精神でプレーしている」