昨季限りで現役を引退した元日本代表の小野伸二氏(44)が、古巣フェイエノールトのスタジアムに凱旋(がいせん)した。

アヤックスとの伝統の一戦で、試合前に引退セレモニーに登場。約5万人のサポーターがUEFA杯優勝などタイトルに貢献した日本人のレジェンドに感謝の拍手と声援を送った。試合はフェイエノールトが6-0の歴史的圧勝。日本代表FW上田綺世は後半32分からピッチに立った。

  ◇  ◇  ◇

01年から05年までフェイエノールトでプレーした小野氏は、20数年を経た今も地元のヒーローだった。ゴール裏とメインスタンドのサポーターが総立ちで声援。ゴール裏には、02年5月のUEFA杯優勝時、小野さんが日の丸デザインの鉢巻きをしてトロフィーを掲げた姿を再現した巨大なイラストが掲げられた。

会場のあちこちのバナーには「伸二、ありがとう!」と日本語の文字。花束と記念の写真フレームを贈られた小野さんは、感慨深げにスタンドを見つめた。止まらない歓声は、チームをUEFA杯優勝、欧州チャンピオンズリーグ(CL)へと導いた感謝と敬意の象徴だった。

同氏はオランダのESPNに「フェイエノールトは私のキャリアで大きな意味を持った。ここで過ごした時間は忘れない。帰って来ることが出来てうれしい」とコメントした。スタジアムでは、UEFA杯優勝のメンバーだったファン・ホーイドンク氏と熱いハグ。今回のオランダ訪問では、元チームメートでオランダ代表のファン・ペルシー氏とも再会している。

試合も前半34分にFWパイシャオンのゴールを皮切りに前半だけで3得点。後半にも3得点を挙げ、歴史的大勝で花を添えた。