「白シャツの魔術師」は正攻法で来るだろう。電撃就任したチュニジア代表のエルベ・ルナール新監督(57)も、初陣に向けた公式会見に出席。熟知する日本戦へ一体感の重要性を説いた。14日の初戦でスウェーデンに1-5で惨敗し、解任されたラムシ監督の後任として招かれた。「重要な試合。よく準備している。全員がコミットメント(責任を果たす強い意志)を持って闘う」と力を込めた。

知将の就任は脅威になり得る。ザンビアとコートジボワールをアフリカ王者に導き、W杯は3大会連続の指揮となる。18年ロシア大会はモロッコ、前回22年のカタール大会はサウジアラビアを率い、後に優勝したアルゼンチンを初戦で撃破した。森保監督の日本に対しては21年に1-0で勝って解任論を浮上させた。25年もアジア最終予選で0-0と勝利を許さず。格上と戦う術も日本も熟知する。

まさに「魔術師」も「そう呼ばれているが、そんなことはない」と否定。「死に体だと思われている。そういう時こそ諦めてはいけない」と不気味に笑った。

「解任ブースト」にも警戒が必要だ。監督交代の荒療治、劇薬を施した後、一時的に成績が上向く現象を指すが、緊急事態でまとまる可能性はある。就任後に掲げたスローガンも「一致団結」で、初練習でも「このまま帰国したら…分かっているな?」と怒りを爆発させる国民感情を想像させて、イレブンを鼓舞した。

魔術師ではなくモチベーターとして「攻撃も守備も全力を出さなければ。我々は一緒に攻めて一緒に守る」。真っ正面から勝ち点3を奪いに来る。【佐藤成】

◆日本とチュニジア 1956年3月にフランス領から独立したチュニジアに対し、日本は同年6月に国交を樹立した。中東では数少ない民主主義や自由主義、男女平等といった理念を日本と共にする国家であり、友好関係を築いている。日本からの主な輸入品は自動車(バス・トラック)、鉄鋼製品、電気機器などであり、日本向け主な輸出品は魚介類(クロマグロ)、電気機器、衣類。昨年6月末時点の在日チュニジア人は967人(政府統計)。ともに陶器を名産品とする愛知県瀬戸市とチュニジアのナブール市は姉妹都市を提携している。

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