イタリアがW杯にいなくなって久しい。「カテナチオ(カギ、かんぬき)」と呼ばれる伝統的な堅守速攻を武器に、ブラジルに次ぐ4度の優勝(ドイツと並ぶ)を誇る。そんなサッカー大国が14年ブラジル大会を最後に、ここ3大会連続して出場を逃している。
だが「アズーリ(青=代表チームの愛称)」はいなくても、イタリア人の監督が参加している。ブラジルのカルロ・アンチェロッティ監督(67)、トルコのビンチェンツォ・モンテッラ監督(51)、ウズベキスタンのファビオ・カンナバロ監督(53)の3人だ。
イタリアは昔から戦術論にたけた「カルチョの国」の国。かつてのバッジオやデルピエロのようなファンタジスタの不在に伴い低迷している代表チームとは別に、指導者を送り出す立場にあることは変わりない。
ACミラン、Rマドリードなどを率いたアンチェロッティ監督は初のW杯指揮だ。ただ現役引退後にイタリア代表のアシスタントコーチを務めており、94年米国大会では「ゾーンプレス」戦術で有名なサッキ監督のもとでW杯に参加。ACミラン時代の師匠をサポートして準優勝している。
そのブラジルはハイチを3-0で破り、アンチェロッティ監督はW杯2戦目で初勝利を挙げた。「得点チャンスもつくれたし、全体的にいい試合だった」。今大会のイタリア人指揮官で最初の勝利をつかんだ。
それに続きたかったモンテッラ監督だが、直後の試合でトルコはパラグアイに0-1と敗れた。攻め切れず、自身も判定への不満を爆発させてイエローカードを食らった。敗退が決まったが「彼らの献身に対して責めるべきものはない」と前を向いた。現役時代はローマで中田英寿とスクデットを獲得し、日本にもなじみのある人物である。
そしてウズベキスタンのカンナバロ監督は、バロンドール受賞者として選手、監督の両方でW杯に参加する4人目となる。初戦はコロンビアと接戦を演じたが1-3と敗れている。結果、ここまでのイタリア人指揮官3人の成績は1勝1分け3敗。ちなみに今大会最多6人を数えるアルゼンチン人指揮官は5勝1分け2敗。W杯は一筋縄ではいかない。
アズーリはいない。だけどカルチョの監督がいる。もちろん母国の関心は3人に向けられる。陽気なイタリア人がよく口にする「終わりよければすべてよし」。アンチェロッティ監督のブラジルはどういう結末になるのか、注目したい。【佐藤隆志】



