[ 2014年2月15日22時15分 ]練習する女子スノーボードクロスの藤森由香(共同)

 レースに出ることすらできなかった4年前の悔しさを晴らす時がきた。

 16日午前11時(日本時間午後4時)開始の女子スノーボードクロスに出場する藤森由香(アルビレックス新潟)は「自分のできることを出し切りたい」と完全燃焼を誓う。

 2日間の公式練習では高い気温で雪が軟らかくなったコースを試走し、「バランスを崩しやすいので力の入れ加減が難しい」と警戒した。15日は決勝トーナメントを想定して他国の選手とレースを行い、トップでゴール。「スタートで出遅れたが前に出られた。最後まで諦めずにやりたい」と本番を見据えた。

 初出場の2006年トリノ冬季五輪で7位に入賞。だが前回バンクーバー五輪は公式練習で転倒して頭部を強打し、レース直前に棄権した。大会後は競技を続けるか悩んだものの、姉由美さんの「納得するまでやればいい」との一言で前向きな姿勢を取り戻した。五輪翌シーズンのワールドカップ(W杯)初戦で3位となり、初めて表彰台に立てたことも「励みになった」という。

 この4年間でターンや空中の技術を見直した。無駄なエッジングで減速しないよう意識付けを徹底。筋力トレーニングで体重も3~4キロ増やし、他選手との接触で不利にならないよう準備した。

 1月に行われた最高峰の大会「冬季Xゲーム」で4位に入って成果を確認、自信を得てソチに乗り込んだ。悔しさをばねにしてきた27歳のスノーボーダーは「ベストの滑りをするだけ」と雪辱を期した。