<陸上:アジア選手権>◇最終日◇14日◇中国・広東奥林匹克体育中心(広東オリンピックスタジアム)

 男子4×100メートルリレー決勝で日本(江里口匡史、塚原直貴、高平慎士、藤光謙司)が39秒01で優勝し、アジア選手権2大会ぶりのタイトルを獲得した。2位は0秒06差で中国が入った。

 塚原は「江里口からのバトンをもらい損ねて『アッ!』と思って。一瞬、抑えてから加速したんでスッキリしなかったですね。アンカーの藤光はすぐ後にマイルリーレーも走ることになっていたからできれば3走までで勝負をつけたかったけど、ちょっと負担をかけてしまいましたね」と反省の言葉を口にした。

 日本は内側の3レーンで、コーナーが少し走りにくい条件だった。1走の江里口はコーナーの出口でもたつき、5レーンの中国と互角でバトンパスをした。塚原は加速が遅れたものの、後半に盛り返して中国を少しリードして3走へ。高平も絶好調時の流れるような走りこそ見せられなかったが、ライバル中国との差を1mほどに広げてアンカーへバトンパス。藤光はその差を守り切ってゴールした。「ベルリンより0秒7も遅いけど、個人がシルバー集めになってしまったから、ここでは1位をとっておかなければいけないという気持ちはありました。これからロンドンヘ向けてアジア大会も2011年の世界選手権もあるけど、このメンバーでどこまで成果が出せるかというのも重要なことだと思うので。もっといいレースをリレーで見せられるようにしたいなと思います」と高平はいう。塚原も「厳しい戦いをしたというのもいい経験だと思います」と笑顔を見せた。個人種目では苦戦した高平と塚原だが、最終日にはスッキリとした表情で大会を終えた。