強行出場した川内優輝(29=埼玉県庁)が2時間9分11秒で日本人トップの3位に入り、来夏の世界選手権代表入りに名乗りを上げた。

 先月12日に右ふくらはぎを痛めた。さらに2日には練習中に段差につまずき、左足を捻挫。満身創痍(そうい)の状態だった。

 それでも痛み止め薬をポケットに入れながら、激走。涙が頬を伝う中、フィニッシュテープを切った。レース後も涙が止まらなかった。

 左足を引きずり、係員に支えられながら会見場に現れた川内は「本当に最悪の状況でスタートラインに立った。ベストを尽くしたこと。このタイムで走れたことに、ホッとして涙が出てしまいました」と語った。日本陸連の世界選手権への派遣設定記録の2時間7分以内には届かなかったが、世界選手権出場には十分なアピールになった。「(代表選出には)微妙なタイムですが、今の状態でここまでいけると思ってなかった」と話した。今後の世界選手権選考会には出場しない意向。人事は尽くした。天命を待つ。