陸上のダイヤモンドリーグ第6戦バウハウスガランが18日、スウェーデンの首都ストックホルムで行われる。女子円盤投げではリオ五輪メダリスト全員がそろったが、金メダリストが出場するのは男女円盤投げの2種目だけ。見方を変えれば、ニューフェース的な選手をチェックできる大会になる。

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 女子円盤投げの焦点は、金メダリストのサンドラ・ペルコビッチ(26=クロアチア)が連勝を「17」に伸ばせるかどうか。

 ペルコビッチは12年ロンドン、16年リオと五輪2連勝中で、世界陸上も13年モスクワ大会優勝と世界トップの座を守り続けている。連勝記録は過去にも12年から13年にかけて「15」、13年から14年にかけて「8」とあったが、15年9月から現在までの「16」が最も長い。

 連勝を止めるとすれば、15年の北京世界陸上でペルコビッチを破って金メダルを獲得したデニア・カバレロ(27)、10年の世界ジュニア選手権優勝者のヤイミ・ペレス(26)のキューバコンビだろう。ダイヤモンドリーグ前戦のオスロ大会(15日)では、ペレスが2位、カバレロが3位。特にペレスは55センチ差の2位と、ペルコビッチの牙城に迫った。

 記録は風の影響を大きく受ける種目で、条件が良ければペルコビッチは70メートルを超える可能性がある。悪条件になって65~68メートル前後の混戦になると、キューバコンビのチャンスが大きくなる。

 男子100メートルに出場する“ポスト・ボルト”の有力候補、アンドレ・ドグラッセ(22=カナダ)に注目が集まりつつある。

 100メートルでは北京世界陸上、リオ五輪と連続銅メダル。今季限りで引退を表明しているウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)、連続銀メダルのジャスティン・ガトリン(35=米国)の2人に続くポジションをキープしている。リオ五輪200メートルは銀メダルで、ボルトに「ヤングガイが俺に挑んできた」と言わしめた選手だ。

 リオ五輪200メートル4位のアダム・ジェミリ(23=英国)も、ストックホルムの100メートルに出場する。ポスト・ボルト候補の1人で、ドグラッセとの対決が注目される。

 日本がリオ五輪で銀メダルを獲得した400メートルリレーでは、カナダが銅メダル、英国が5位。両国のエースであるドグラッセとジェミリの走りは、日本の関係者にとっても気になるところだろう。

 ◆ダイヤモンドリーグ IAAF(国際陸上競技連盟)が主催する単日、または2日間開催では最高カテゴリーの競技会シリーズ。2010年に発足し、昨年までは年間総合ポイントで各種目のツアーチャンピオンを決定していたが、今年はファイナル大会出場者を決めるクオリファイリング大会として12大会が実施され、16種目ずつを行うファイナル2大会の優勝者がダイヤモンドリーグ・チャンピオンとなる。

 各クオリファイリング大会の種目別賞金は3万ドル(1位1万ドル~8位1000ドル)で、各種目は年間4または6大会で実施される。各大会のポイント(1位8点~8位1点)合計上位8人(種目によっては12人)がファイナル大会に進出。ファイナル大会の種目別賞金は10万ドル(1位5万ドル~8位2000ドル)で、年間優勝者には賞金5万ドルのほかダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝で行われるため、緊張感あるレースがスピーディーに続く。

 また、オリンピックや世界陸上のように1種目3人という国ごとの出場人数制限がないため、ジャマイカ、アメリカ勢がそろう短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目など、五輪&世界陸上よりレベルが高くなるケースもある。