【6区】桐生市役所→伊勢崎市西久保町(12・1キロ=17年大会までは12・5キロ)

区間記録保持者:市田宏(旭化成)

36分32秒(17年区間賞=旧コース)

現在25歳。旭化成在籍

 

 距離も短く、終盤のつなぎ区間と位置づけられ、チーム内で6、7番目の選手が起用されることが多い。だが、選手層の厚さが顕著に現れるところであり、近年はこの区間でリードを奪ったチームが勝っている。

 前回は旭化成の市田宏(25)が区間新をマークした。市田はトップでタスキを受け、2位のトヨタ自動車九州とは7秒差、3位のトヨタ自動車とは34秒差でスタート。序盤は3連覇を狙うトヨタ自動車に追い上げられたが、後半でペースアップして差を広げ、7区への中継時には2位のトヨタ自動車に58秒差をつけて、旭化成18年ぶりの優勝を決定づけた。

 市田は「最初から自分のペースを守って走っていて、追い上げられていることに気づきませんでした。経験的に突っ込むと後半落ちるとわかっていたので、オーバーペースにならないよう、意識して走っていました。区間記録が出ていたのにはビックリしましたけど」と1年前を振り返った。

 1つ前の5区で村山謙太(24)が、トヨタ自動車、トヨタ自動車九州、MHPSと4チームの争いから抜け出した。トップに立つだけでなく、2位以下に差をつけたことで市田宏が自分のリズムで走りやすくなった。

 そして村山の走りを引き出したのが、4区で区間賞を取った市田孝(25)。宏の双子の兄だった。宏の6区の区間新は、兄弟が力を合わせて出した記録である。「孝の区間賞は走り出す直前に聞きました。孝がやれるなら自分もやれると思って走り始めました」。

 勝負を最終的に決するのはアンカーの7区だが「到着地に着く1つ手前の大事な区間。そこで油断は絶対にできません。1つ前の段階をしっかり走れてこそ、勝利が見えてくる」と、6区の重要度を強調した。

 今回からコースの一部が変更される。前回までは3キロ過ぎに右折して、細い道を大きく曲がっていた。新しいコースは直線部分が多くなり、道幅も広くなるが、起伏が多くなる。新旧コースでどちらが走りやすいかは、なんとも言えない。

 「もしも6区に起用されたら、旧コース最後の区間賞を取っているので、新コース最初の区間賞も取りたい」。

 ニューイヤー駅伝6区の歴史に、名前を複数残すことになるかもしれない。