マラソン男子で日本記録2時間6分11秒を持つ設楽悠太(26=ホンダ)が30日、都内で行われた陸上教室「スーパーかけっこアタック」に、恩師である東洋大長距離部門の酒井俊幸監督(42)と出席した。

講師である秋本真吾氏(36)と子どもたちにフォームなどを指導。参加者からの質問コーナーでは軽妙なトークを披露した。

まず酒井監督が、設楽悠の大学時代について「個性とも違う。芯、自分を持っている。オンとオフの差が大きいが、集中した時の本気度はすごい」と絶賛した後、「そうしないと日本記録は出ない」と続けた。

その後、設楽悠は緊張しない方法を問われ「僕の場合はレースのことを考えない。普段の生活をする。生活リズムを崩さないことが大切」。そして16年ぶりに日本記録を更新した今年2月の東京マラソンを回想した。

「ゴールした後のことを考えていました。友達とご飯を食べに行く約束をしていて『早くおいしいものを食べたい』と思っていました」

恩師が披露したものとは、まさに真逆のエピソードを披露し、笑いを誘った。

日本記録を5秒更新した設楽悠は日本実業団連合からは報奨金1億円が支給されている。酒井監督から「日本記録の男、1億円の男と言われていますが、無駄遣いしないように。また次、日本記録を更新して欲しい」と愛にあふれた激励をされた。設楽悠も「今年は駅伝3冠を目指して、頑張って欲しい」と母校と監督にエールを送った。

「スーパーかけっこアタック」は日本ランニング協会が主催する子ども向け陸上教室。指導のプロが走り方のコツや走る楽しさなどを伝えていく。今回は第2回で、7月の第1回は陸上男子100メートルで9秒98の日本記録を持つ桐生祥秀(22=日本生命)がゲスト講師として出席した。