男子200メートルで、日本人の母を持つマイケル・ノーマン(21=米国)が、自己ベストの19秒84で圧勝した。

スタートからぐんぐん加速して飯塚、藤光ら後続を置き去りにしてフィニッシュ。400メートルで世界記録も視野に入れている次世代のスターが初来日の日本で力を見せつけた。

ノーマンは「海外レースということでタイムには満足しています。ただ振り返ってみるといろいろな場面でいくつも改善点が思い当たるので、次のレースに向けてそれぞれを完成させていきたいと思っています」と謙虚に話した。

母伸江さん(旧姓斉藤)は静岡・入野中時代の89年に100メートルで日本一。中学生女子初の11秒台となる11秒96を記録している。ノーマンは「日本に関してどんな国か来日前に特に予想したり、期待したりはなかったけど、3日間過ごしていい旅行になってますし、この国が大好きになりました。アメリカを代表していると同時に母の遺産も含めて、別の意味で代表しているふうに感じています。どちらの文化も受け継いでいる」。

東京五輪での金メダル候補になる。18年3月の室内での400メートルで記録した44秒52は室内における世界記録だ。史上初の42秒台についても「いつか出ると思っている。2年以内には出るんじゃないかな。でも自分にタイムの制限は課したくない」と口に知る。その一方で「東京五輪ではとにかく勝つこと。タイムなんてどうでもいい」と勝負にこだわる構えだ。

20年8月、東京五輪の陸上男子400メートルで日本にルーツをもつスプリンターが頂点に立つ可能性はある。