9年連続61度目の箱根駅伝出場となる順大が11日、千葉県印西市のさくらキャンパスで記者会見を開いた。

副将の橋本龍一(4年)は、赤いハチマキを手に会見場に登場した。今年6月、大学近くの千葉県印旛中で教育実習を行った際に、担当した3年生クラスの生徒から贈られた思い出のアイテム。教え子たちの直筆メッセージ入りで、実習の最終日にプレゼントされたという。

教育実習に行く直前までは、「最上級生になり、結果を出さなければという気持ちが強すぎた」。走ることについて気持ちに余裕がない状態だったが、担当クラスの生徒や陸上部員たちと触れ合う中で、「自分は陸上が好きなんだとあらためて気づかせてもらった」。精神的なターニングポイントになったと振り返る。

出雲ではそのハチマキを巻いて登場。全日本でもハチマキ姿で走るつもりだったが、前の区間の走者が想定以上に速く到着してしまい、つけるタイミングを逃した。走行中には「(集中して)ゾーンに入りすぎてしまった」ことが原因で、コースを間違えかけるシーンもあった。ハチマキ装着のタイミングも含めて、「全日本ではいろいろ学んだ」と笑う。

練習でも「体調が悪いときとか、たまに気合いを入れるために巻くことがある」という赤いハチマキ。汗でメッセージの一部が消えかかっているが、生徒への感謝の思いは消えることはない。「箱根では忘れずに巻きます」。教え子たちの思いも乗せて疾走する。