第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が、来年1月2、3日に開催される。東北6県の高校出身者39人がエントリー。各大学の主将やエースを務める将来有望な選手も多数だ。「箱根を駆ける東北魂!!」と題し、正月の風物詩を盛り上げる注目選手を紹介する。第1回は国士舘大のみちのくランナーです。

ねずみ年の新春箱根路は、国士舘大の“年男!?”鼡田(ねずみだ)章宏(4年=田村)にチュウ目だ! 正月はテレビ放送でも、ねずみのキャラクター登場が予想されるだけに「大学最後の箱根が、ねずみ年なのは運命的だし、うれしい。皆さんが応援してくれる感じですね」と笑った。

2年連続で5区の経験を積み、熟知する山登りが濃厚だ。区間13位、12位と進歩しており「区間1ケタで走りたい。そうすればチームに貢献できる」。主将の責任感から、オーバーワークによる右ひざなど複数のケガで本調子を欠いた時期もあったが、少しずつ復調。9月上旬に行った御嶽山(長野)での高地合宿でクロスカントリーなども実施し、アップダウンへの自信は確固たるものとなった。

4年連続48度目出場のチーム目標は、前回を上回る15位。3年連続で最後までつなげなかったタスキへの思いも強い。特に前回は10区手前で、わずか51秒届かずの無念。「9区のスタートで同級生を送り出した後だっただけに悔しかった。大手町に向かう車の中のテレビ画面で、その瞬間を見て涙が出た」とリベンジに燃える。

鼡田姓を調べたこともある。「全国で22人あるようですが、全員が遠い親戚だと親が言っていました」。時には「オレさあ、ねずみがマジで嫌いなんだよね~」と何げない声に悩んだことさえある。今冬こそ、ミッキーマウスに続く国士舘のスターに駆け上がる。【鎌田直秀】

◆鼡田章宏(ねずみだ・あきひろ)1997年(平9)4月17日生まれ、福島・田村市出身。常葉中-田村高。1万メートルの自己最高タイムはチーム日本人トップの29分28秒17。好きな食べ物はラーメン。168センチ、51キロ。血液型A。