黄金世代が4年生となり、盤石の布陣で2連覇へまい進するプランが崩れた。

東海大は前哨戦の全日本を16年ぶりに制した勢いなく、2区以降は一度も先頭争いに加われなかった。往路は1位と80秒差を想定していた両角監督は、3分22秒差の4位に「正直厳しいんじゃないか。でも、あきらめずにやるしかない」と本音をこぼした。

直前練習に誤算があった。その影響が最も直撃したのが5区だった。昨年区間2位の西田。1位と約2分差でたすきを受けたが、登り坂で脇を押さえ始めた。1週間前に38・6度の熱発、3日前には左アキレス腱(けん)に痛みが出た。指導陣から「仲間とやってきたことを信じろ」と送り出されて強行走も、痛み止めの副作用の腹痛に襲われた。区間7位と大崩れこそ逃れたが、「下ってからは意識がなかった」とゴール後は救護室に直行した。

両角監督からは「雪だるま式に青学に差をつけられないように頑張る」と強気な発言は聞かれず。「そういう(復路での逆転の)ために経験者を配置したところもある。まだ分からない、そう思えば。ドラマは最後に待っているかもしれない」。館沢主将、阪口、小松ら力ある4年生が残る復路に何とか望みを探した。【阿部健吾】