昨年12月の全国高校駅伝で26年ぶり2度目の男女アベック優勝を果たした仙台育英(宮城)陸上競技部が31日、宮城県の村井嘉浩知事(59)から特別表彰を受けた。

宮城県庁での授与式に出席した男子主将の菊地駿介主将(3年)は「これから、さらにステップアップする自信になる表彰。男女両方で優勝できたことは、まわりの支えがあったからこそ。競技で恩返しができれば良い」。卒業後は大東大に進学が決まっており、次は箱根駅伝出場を目標に掲げた。

将来的には警視庁入庁の夢も抱いている。警視庁に勤務している父の影響もあり「走ることができることは一番うれしいですけれど、少しでも人の役に立てる人間になりたい思いもあります」。マラソン競技を含む、スポーツイベントの警備でも貢献したい意向も明かした。

最終5区で優勝のゴールテープを切った女子主将の木村梨七(3年)は「競技だけでなく、日常生活からすべてにしっかりしていかないといけないことを感じた3年間でした。1年の時は女子は優勝したけれど男子は3位。最後に男女で優勝できて良かった」と笑顔を見せた。00年シドニー五輪女子マラソンで金メダル獲得の高橋尚子らも所属した強豪・積水化学に内定。19年実業団ハーフマラソン女王で宮城・大崎市出身の佐藤早也伽(25=常盤木学園-東洋大)が憧れの存在だ。「普段はおっとりしているのに、レースで力強い走りですごい成績を出すギャップが魅力的です」。昨年のアジアユース(香港)では女子3000メートルで優勝するなど、自身は長距離よりも、5000メートルなどのトラック競技で世界にも挑むつもり。「スピードも伸ばしながら、駅伝でも活躍したい」と意気込んだ。

優勝メンバーも、男子は7人中4人、女子も5人中3人の下級生が残る。女子の釜石慶太監督は「宮城県、仙台市や多賀城市の皆様に、元気や感動を与えられるチームを目指していきたい」と誓った。