15、19年世界選手権日本代表の青山聖佳(24=大阪成蹊AC)が初優勝を果たした。決勝は54秒11を記録。予選では自己ベストの52秒38で日本歴代2位となり、今季400メートル初戦を「予選は自己ベストは出ると思ったけれど、(52秒)38までは思っていなかった。正直、驚きの気持ちです」と笑顔で振り返った。

今季は練習で200メートルを用いたスピード強化に重点を置き、その成果がいきなり出た。だが、周囲を驚かせた予選の走りも、200メートルのラップは「思ったより遅かった。今日の予選は24秒6。それを0・2秒以上縮めたい」と自己評価する。その反省から決勝は意識的に前半の200メートルへ力を注いだが「300メートルまで良かったけれど、足がつりかけた」と苦笑い。理想通りとはいかなかったが、2本の走りで得た収穫は多い。

開幕が1年後に迫った東京オリンピック(五輪)の参加標準記録は51秒35。丹野麻美(ナチュリル)が08年にマークした日本記録(51秒75)の先にある。青山は「日本記録を更新して、そこ(参加標準記録)を超えないと、個人種目に出られない」と2つの指標を強く意識。島根・松江商高、大阪成蹊大と歩んできた24歳には、まだまだ伸びしろがある。【松本航】