理系ランナーの芝浦工大・松川雅虎(2年=花巻東)は「2代目山の神」こと東洋大時代の柏原竜二氏(31)に憧れ、箱根駅伝を走る夢を抱いた。芝浦工大陸上競技部駅伝ブロックは11年に結成。翌12年の箱根駅伝予選会初出場以来、同大の本戦切符はつかめていないが、18年には関東学生連合から同大初の箱根ランナーが誕生している。今年、松川は学生連合メンバーの1人に選出されており、同大学2人目の箱根出場を射程圏に捉えている。

10月の予選会(ハーフマラソン=21・0975キロ)では1時間3分4秒で個人70位。学生連合16人中8番目の記録で「最初の10キロが30分10秒通過で楽にベストタイムだった。もっと速く走っても楽に入れたと思うし、62分半切り、61分台は近々いけそう」。芝浦工大は東農大を8度本戦に導いた名将、前田直樹監督(61)のもとで「駅伝プロジェクト」と題し、長距離部門強化を進めている。

松川は「強豪大学でもまれるより一からやった方が伸びる」という花巻東時代の恩師からの言葉を信じ、「前田監督のところで練習すれば強くなると感じた」。実力をつけ、憧れの舞台に近づいている。「小学校の時に見た柏原選手がかっこよくて、自分は登りが得意ではないけど、中学の時はここで走りたいと思いました」。同監督から学生連合に「選ばれたぞ」と吉報を知らされた際は「箱根駅伝は自分の夢だったので、感極まって涙が出ました」と打ち明ける。

走りたい区間は1区か10区で「1区は自分が走る勢いで学連チームにいい流れを持ってこれるし、団子状態なので、食らいつけばいい記録を狙える。10区は自分と同級生で東洋大の及川瑠音(るおん、2年=岩手・一関学院)が前回走ったので、その記録を抜きたいというのもある」。東京・大手町発着区間で、虎のごとく野性味あふれる快走を見せる。【山田愛斗】

◆松川雅虎(まつかわ・みやと)2000年(平12)9月26日生まれ、岩手県花巻市出身。花巻東から芝浦工大に進学。自己ベストは5000メートル14分31秒45、1万メートル29分19秒69、ハーフマラソン1時間3分4秒。家族は母、兄、姉。172センチ、52キロ。